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広尾 晃の気まぐれ寺ばなし
第28回 地方の人々と仏教の出会い
大和朝廷が日本を統一する過程で、神社も天照大神を頂点とする形で統一されていきましたが、
地方には、中央の神に属さない土地の神々も存在していました。
「岐の神」というこれらの神々は、渡来人によってもたらされた道教の影響も受けて「道祖神」へと姿を変えていきます。
道の辻や、山道の峠などにはこの道祖神をまつるお堂が建てられていました。
また同じく道教の教えから来た「庚申様」も各地に存在しました。
古代の中央政府は、この道祖神の信仰を中央の権力に従わない危険なものとみなしていました。
道祖神を祭るお堂に仏像を置かせて「仏堂」にするような政策を進めます。
実は地方に住む人々は、こうした「仏堂」によって、初めて仏教に触れるケースも多かったようです。
「仏堂」が発展して寺院になるケースも数多くありました。
しかし道祖神など土地の神々は、仏がやってきてからも完全になくなったわけではありません。
仏像と融合したり、ともに祀られたりして現在も数多くの道祖神が存在します。
これも日本独特の神仏習合の形といえるでしょう。
高知県土佐町東石原の仏堂にある仏像
プロフィール
広尾 晃(ひろお・こう)
1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライター、プランナー、ライターとして活躍中。日米の野球記録を専門に取りあげるブログサイト「野球の記録で話したい」でライブドア奨学金受賞。スポーツ専門テレビ局「J SPORTS」でプロ野球番組のコメンテーターも務めている。著書に『巨人軍の巨人 馬場正平』、『プロ野球なんでもランキング』、『プロ野球解説者を解説する』(以上、イースト・プレス刊)など。
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