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広尾 晃の気まぐれ寺ばなし
第26回 大仏建立に尽力した行基
行基は、前にもふれたとおり、国家によって公認された僧ではありませんでした。
また、禁止されていた寺の外での布教活動を行い、貧しい人を救ったり、土木事業を行ったりしました。
そうした活動は政府によって弾圧されていました。
ただ、行基の活動が「反政府的」でないとわかってからは、弾圧は緩和されます。
しかし、国情が不安な上に大仏造営が遅々として進まない中で、
朝廷は大衆の力を動員するために、行基に協力を仰ぎます。
天平15(743)年に聖武天皇と行基が会見。
行基は大仏造営に協力することを承諾します。行基はすでに76歳でした。
行基を天皇に紹介したのは、良弁ではなかったでしょうか?
良弁は行基よりも20歳以上年下でしたが、義淵という高僧の下で学んだ相弟子でもありました。
奈良の大仏造営には、行基の呼びかけに応じた大衆の労働力が大きな力となりました。
また、行基はインドの高僧菩提僊那を大仏開眼の導師として招くうえでも貢献しています。
行基自身は大仏の完成を見ることなく、天平21(749)年に入滅しますが、
わが国で多くの人々に仏教を広めた最初の人物として、行基の名前は不滅の輝きを放っています。
奈良県生駒市竹林寺にある行基の墓
プロフィール
広尾 晃(ひろお・こう)
1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライター、プランナー、ライターとして活躍中。日米の野球記録を専門に取りあげるブログサイト「野球の記録で話したい」でライブドア奨学金受賞。スポーツ専門テレビ局「J SPORTS」でプロ野球番組のコメンテーターも務めている。著書に『巨人軍の巨人 馬場正平』、『プロ野球なんでもランキング』、『プロ野球解説者を解説する』(以上、イースト・プレス刊)など。
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