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広尾 晃の気まぐれ寺ばなし
第16回 地方にも大寺院があった
徳島県美馬市は、吉野川の上流にある地方都市ですが、
この中心部、旧美馬町には、郡里廃寺(こおざとはいじ)という寺院の遺跡があります。
この遺跡は江戸時代からこの形のままで伝えられ「立光寺跡」と呼ばれていました。
恐らくは平安時代くらいに立った古いお寺の遺跡だろうと思われていたのですが、
近年の発掘調査で、この寺が西暦7世紀初頭、
つまり聖徳太子が仏法を説いていた時代に建てられた寺院であることがわかりました。
郡里廃寺は、法隆寺とともに聖徳太子が創建したとされる
法起寺と同じ寺の配置で(法起寺式伽藍配置)、
規模は法隆寺に匹敵する大きさでした。
また寺の周囲は長い回廊で取り囲まれていました。
このあたりを支配した豪族が一族の繁栄を願って建てたものだと思われています。
都を遠く離れた土地にも、このような本格的な寺院が建てられていたのです。
仏教ブームの大きさを知ることができます。
また、地方豪族の財力の大きさもうかがい知ることができるのです。
徳島県美馬市の古代寺院、郡里廃寺の現地看板
プロフィール
広尾 晃(ひろお・こう)
1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライター、プランナー、ライターとして活躍中。日米の野球記録を専門に取りあげるブログサイト「野球の記録で話したい」でライブドア奨学金受賞。スポーツ専門テレビ局「J SPORTS」でプロ野球番組のコメンテーターも務めている。著書に『巨人軍の巨人 馬場正平』、『プロ野球なんでもランキング』、『プロ野球解説者を解説する』(以上、イースト・プレス刊)など。
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