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広尾 晃の気まぐれ寺ばなし
第14回 謎の多い四天王寺
大阪を代表する寺院である四天王寺は、よく知られているように、
聖徳太子が仏教をめぐる蘇我氏物部氏の争いに従軍した際に、
四天王に勝利を祈願したことから建立されたとされます。
建立は西暦593年。
鳥居の前には「大日本仏法最初四天王寺」と誇らしげに石碑が立っています。
四天王寺は法隆寺よりも古い、日本最古の寺だとされているのです。
しかしながら、四天王寺はもともとこの地に建ったのではなく、
もとは現在の森の宮付近であったという説もあります。
また、四天王寺よりも造立時期が古い寺として蘇我氏の法興寺があります。
さらに、四天王寺の造立時期はもっと遅いのではないかという説も生まれています。
四天王寺の山号は「荒陵山(あらはかさん)」。
これは、四天王寺が、かつての皇族の古墳の跡に建てられたことを表しているといわれます。
確かに、現在の四天王寺の庭園には古墳の石棺のような石が配されています。
また、付近の地名「帝塚山」は、皇族の広大な墳墓があったことを表しているともされます。
四天王寺は、古墳時代から古代仏教の花が開いた飛鳥時代へと変わる時期の、象徴的な寺院なのです。
聖徳太子ゆかりの古代寺院の一つ、四天王寺の仁王像
プロフィール
広尾 晃(ひろお・こう)
1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライター、プランナー、ライターとして活躍中。日米の野球記録を専門に取りあげるブログサイト「野球の記録で話したい」でライブドア奨学金受賞。スポーツ専門テレビ局「J SPORTS」でプロ野球番組のコメンテーターも務めている。著書に『巨人軍の巨人 馬場正平』、『プロ野球なんでもランキング』、『プロ野球解説者を解説する』(以上、イースト・プレス刊)など。
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