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広尾 晃の気まぐれ寺ばなし
第6回 「お寺のはじまり」はこんなお堂
1988年に刊行された『阿波のお堂』は、徳島県内の仏堂をつぶさに調べ上げた労作です。
この本を読むと、「お堂」と呼ばれる仏様を祭る小さな建物は、
平安時代初期、9世紀には阿波の各地に建てられていたことがわかります。
日本のお寺の原型は、こうした「お堂」に近いものではなかったでしょうか。
渡来人たちが自分のために仏を祀ったシンプルなお堂を、周囲の人々も信仰するようになった。
中には、そこから発展して寺院になったものもあるが、
そのまま発展することもなく、お堂のままで現在に至ったものもあると。
一方で、お堂は日本土着の「岐の神(みちのかみ)」や、
古代に大陸から渡ったとされる「道祖神」とも深く関係があると言われます。
「お堂」は、そうした雑多な信仰を融合させつつ今日まで永らえてきました。
小さいですが、一筋縄ではいかない魅力的な存在です。
「お堂」については、別項でまた触れたいと思います。
ともあれ、お寺のはじまりは、
こうした小さな「お堂」をイメージすれば良いのではないかと思っています。
プロフィール
広尾 晃(ひろお・こう)
1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライター、プランナー、ライターとして活躍中。日米の野球記録を専門に取りあげるブログサイト「野球の記録で話したい」でライブドア奨学金受賞。スポーツ専門テレビ局「J SPORTS」でプロ野球番組のコメンテーターも務めている。著書に『巨人軍の巨人 馬場正平』、『プロ野球なんでもランキング』、『プロ野球解説者を解説する』(以上、イースト・プレス刊)など。
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