HOME > 著者に聞く > 『絶対、行政書士になる!! 千足恭司先生の熱血合格塾 試験に合格するための10の心得』
著者に聞く!
『本当に合格したい人のための行政書士 40字記述詳細分析模擬試験付』
著者・千足恭司先生に聞く
絶対、行政書士になる!!
千足恭司先生の熱血合格塾 試験に合格するための10の心得
『本当に合格したい人のための行政書士 40字記述詳細分析模擬試験付』の著者・千足恭司先生に、試験に合格するための10の心得についてお聞きしました。
心得1 試験までのカウントダウン計画表を作るべし
まず、本試験までのカウントダウン計画表を作ってほしい。使用教材と1日のノルマを決め、計画通りできたか確認すること。食事時間、勉強時間など一日を円グラフにまとめるといい。集中できる時間帯や傾向が把握できるからだ。この時期に本試験までのトータル計画を立てておけば、試験全科目に集中し見直すことができる。時間配分を考えることで、不得意科目や手つかずの科目をなくそう。ぜひ本書付録の計画表を活用してほしい。計画書なき勉強は無駄骨に終わる。
計画表が大事だからといって無理な計画は立てないこと。過去問題集、記述式問題集、模擬試験などを、具体的に1日当たり何問解くことができるか、また何度反復学習できるかをまとめてみよう。試験1週間前までに各教材を何回まわすか目標を設定。肢数合計をまわす回数で割って、1日当たりに解く問題の数の算出をするといい。きりのいいところまでと考えず、無理のないペースを守ること。
計画を実行したら、次は、計画の見直しを毎日徹底しよう。計画が進んでいないなら、そのことを自覚し、「なぜなのか」を自分自身に問いかけること。このとき、少なくとも3回は「なぜ」を繰り返し、原因を探ってほしい。原因を探り、その対策を練ることで明日からの計画のずれを是正することができるからだ。大切なのは、なぜ進んでいないのか、進めるためにはどのような変更をすればいいのかを自分で見つけ、かつ自分で解決するための方法を決めることなのだ。
心得2 体力作りと健康管理は重要だと心得よう
計画の次は、体力作りだ。本番でベストを尽くすには体調も万全でなければいけない。勉強時間や睡眠時間、食事内容を記録し見直すこと。それは健康管理にもつながる。勉強がはかどらない時間帯は体力作りに努めるなどメリハリを大事にしよう!
毎日を記録し見直し続ければ、無駄な時間を自覚できるはずだ。趣味の時間ではない。ここでは、なんとなく過ぎてしまった時間のことだ。貴重な時間を無駄に過ごしている人は意外に多い。その無駄な時間を有益な時間に変える。それが必要なのだ。
あと約3カ月と時間が限られてきた時期であることは事実だが、反面あと3カ月もある。3カ月睡眠不足のまま勉強を続けることは成果にはつながらない。年に1回しかない国家試験においては、本試験日に一番いい状態で試験に臨むことを考えよう。
さて、どんなときでもイレギュラーを想定しておかなければならない。体調を崩した場合を想定して10月ごろから模擬試験ではマスク着用を実践しよう。本番当日、体調を崩すというような最悪の事態で悔しい思いをしてもらいたくない。
体調管理と同様に精神力を鍛えることも大切だ。「なぜ、このような厳しい勉強をしてまで行政書士試験に挑戦するのか」と、勉強を始めた動機と勉強を続けることで得ることができる「なにか」を意識して、毎日の勉強に取り組んでほしい。
心得3 休日(時間に余裕があるとき)には、「5時間休憩なし」勉強法を取り入れるべし
「5時間休憩なし」勉強法は、「座ること」に重点を置き、それにより集中力を発揮するために必要不可欠な「体力」を養える。長時間の態勢にも慣れてくれば、「あとは計画通り勉強を進めていくだけ」という意識が出てきて、苦痛なく計画を実行できるだろう。
実際に実践してみよう。まず、休憩を取る理由を作らないこと。途中で「お腹がすいた」「トイレに行きたい」「肩・腰が痛くなった」「携帯が鳴った」など休憩を取りたくなる理由が考えられる。しかし、それらの大部分は本試験会場では無視するしかない理由だ。勉強するときは、事前に食事やトイレなどの生理現象は解決しておく、ストレッチなどで軽く体をほぐしておく、携帯は留守電にして後で対応するなど、休憩を取る理由を作らずに勉強に取り組もう。
最初は、「1時間しかない」と考えること。5時間あると考えると、緊張感が続かないからだ。まず、5時間を短時間で区切り、勉強で取り組むことを複数用意する。1時間で「このページまで」もしくは「問50まで」と決める。
そして、1時間経過したら、予定の内容を消化できていなくても次の課題に取りかかろう。はじめは中途半端だと思うかもしれないが、これも本試験対策の1つだ。本試験は時間配分が重要。行政書士試験の科目数は多く、各科目を一定の時間内に消化することが求められる。予定時間を過ぎたら、頭を切り替え次の科目に移行する割り切りが必要。
最後の30分は(最初は1時間でも結構)、消化できなかった部分用にあてよう。こうすることで、その日の課題は当日に終了し、気持ちよく達成感を感じることができるはずだ。
私が担当する大学では、この「5時間休憩なし」方式で高い合格率を輩出している。行政書士試験は、全国平均の合格率は約7%のところ、約5倍の34%(過去3年平均)という実績だ。過去10年の合格者延べ人数は336名にものぼる。
また、宅地建物取引主任者試験は、全国平均の合格率が毎年約16%のところ、約5倍の86%(過去3年平均)という合格率だ。個々の学生も、この勉強方法で複数の国家試験に合格している。行政書士試験後もこの勉強方法で成果を上げているのだ。
心得4 本試験に向けてモチベーションは高く持ち続けるべし
本試験までの計画も立てた。あとは、やる気に満ちた、今の気持ちをどう持ち続けるかだ。まずはメリハリのある勉強を心がけよう。趣味の時間の前にする勉強などは効果がある。たとえばテレビ。「あと1時間でドラマだ!」と時間を絞り集中して取り組もう。どんな些細な楽しみでもいい。メリハリをつけるために、時間を絞り、集中する癖をつけよう。
この資格試験を勉強するきっかけになったことを思い出すのもいい。「去年の自分に戻らない」や「去年感じた将来への不安、期待」といった、「なぜ、勉強しようと決意したのか」を思い出すことが必要。
さらに、知識を得ることは自分の可能性を引き出すということも自覚するよう促そう。勉強以前は知らなかったさまざまな知識を得ることにより、以前は意識もしなかった自分の可能性を見出すことができるからだ。
そして、とにかく1日1日を記録すること。どんな小さな成長も残さず記録していこう。自分の成長に気がつくことができれば、人は決してあきらめない。
仲間を作ろう。専門学校などに通っている人は、教室で出会う同志の中から勉強に熱心な人に声をかけてみよう。資格勉強は孤独になりがちだが、共に同じ目的を持つ仲間ができると、いい刺激になるはずだ。特に熱心な仲間とは、互いに情報交換を行うことができるし、仲間の姿を見ることで「あと30分頑張ろう」と競争意識が発生するものだ。
独学の人は、実際の仲間作りは難しいから、家族や友人に「合格宣言」を出すのはどうだろうか。特に、子どもがいるなら、子どもの勉学への応援にもなるのではないだろうか。
心得5 条文・判例のキーワード・キーフレーズに着目するべし
次は、いよいよ記述式問題に取り組んでいこう。まず、択一式問題で満点が取れる人は、記述式問題でも高得点をマークできることを覚えておこう。
それは、なぜか。記述式問題といっても、その中身は条文・判例の基本的知識が中心だ。本試験でも記述式問題の字数は40字程度。つまり、記述式問題の記載は条文・判例のキーワード・キーフレーズと考え、対策を立てればいいのだ。キーワード・キーフレーズを挙げ書きこめば、それがイコール記述式問題の解答となる。このキーワード・キーフレーズというのは、実は、択一式問題の解答を導き出すためのポイントでもある。だから、択一式問題で満点が取ることができる人は、イコール記述式問題も合格ラインの解答を導けるといえる。
心得6 択一式問題でトレーニングをするべし
記述対策にもなる択一式問題の取り組み方について伝授しよう。最初に「自分の解答」を書きこむノートを1冊用意する。見開きの左ページに「自分の解答」と思いつく限りのキーワードを書きこむ。答え合わせのとき、空白の右のページに「模範解答」と異なる部分、不足部分を色ペンで書きこんでいく。
答えを出す際は、単に正解肢を選ぶのではなく、必ず解説者の感覚で「自分の解答」を書き出していこう。知識を身につけることが重要なので字数は気にしなくてよい。
大切なポイントに気付いてくれただろうか。択一式問題をしっかり考え、解いて趣旨・要旨を意識して取り組むことができれば、それがそのまま記述式問題対策になるのだ。
心得7 答え合わせで、自分の解答のポイントのずれを自覚するべし
勉強がある程度進んでいても、「自分の解答」が問題のポイントに対応していないことが多い。「自分の解答」と「模範解答」を左右見比べれば、「自分の解答」のおかしな点に気付くはずだ。これがポイントのずれだ。
問題に真剣に取り組み、かつ模範解答を自分の手で書くことで、深く読む結果、知識が身につく。最初は時間がかかるが、記述式問題と択一式問題両方の対策が取れるので、時間の費用対効果もとてもいい。最初にかけた時間は必ず回収できる。
「自分の解答」と「模範解答」とのずれを記載したノートは、必ず本試験まで残しておくこと。「自分のレベルは本当に上がっているか」という疑問への確認となるからだ。国家試験は常に自分との戦いだ。敗れる者は自分の成長に気付いていない。自分が毎日取り組んできたノートを見直すことによって成長を実感することができる。毎日の進歩は小さいかもしれないが、スタート時と今ではまったく違うレベルにいる。この成長を実感することこそが、次の自分の成長につながるのだ。
ここで、自己採点のポイントを4つ。1.問題についての図が描けているか。2.キーワード・キーフレーズがすべて挙がっているか。3.論点は、はずれていないか。4.なぜ、模範解答と違うのか。
いつもチェックしているか、自問自答してみよう。単純に解答を暗記するのではない。一つひとつ丁寧にチェックすることが大切なのだ。今後はそうしたことに気を付けて自己採点してみてほしい。必ず、自分の力になるはずだ。
心得8 問題のポイントを押さえていれば大丈夫だと心得よ
試験が近づくにつれ、受験生は、疑心暗鬼になりがちだ。採点基準や配点がわからないと不安になるのも無理はない。そこで、採点基準のわかる本書で、その不安を克服してほしい。本書のサンプルは、その年の本試験合格者たちの再現答案に限定してピックアップしているので、臨場感が高い。専門家の作成する模範回答よりも親近感を得ることができるだろう。
本書のような実例を確認することで採点基準がわからないという不安を少しでも解消し、「ポイントを押さえていれば大丈夫なのだ」と自信を持って勉強に臨んでもらいたいのだ。
もちろん、私たち専門家の目から見ると、あまりできのよくないサンプルも混ざっているが、そういったサンプルから、当該記述がどの程度の減点を招く要素を含んでいたのかを読み取ってほしい。スキルアップにつながると同時に、あまりできのよくない答案でも合格したという事実が、君たち受験生の自信になると信じている。
心得9 成果が出ないときはテキストの音読を試みるべし
試験日も近づき、問題に一生懸命取り組んでいるのに、なかなか成果が出ないという受験生もいるだろう。私が担当する学生のなかにもいる。私はあえて質問する。「合格したいのか。自分流の勉強にこだわりたいのか」と。
試験勉強には傾向がある。テキストや問題集は、合格のために必要な知識をまとめた内容だ。合格するために、テキストや問題集を覚えるという割り切りが必要。懸命に取り組んでも伸びないのは、自分流の勉強にこだわっていることが多い。
せっかく一生懸命勉強しているのだから、合格するための知識を得ることに集中してもらいたい。具体的には、テキストの精読と過去問のリピート学習。テキストは長年の受験テクニックの集約だ。これを利用しない手はない。
それでも成果が出ないという受験生には、あえて、テキストの音読30回をおすすめする。繰り返し音読することで、全体の流れと、テキストのどの部分に記載があったのかを記憶できるようになる。数多くの合格者をみてきたが、合格レベルに達する受験生は皆、問題を見たときに、テキストの記載部分が頭に浮かぶまで精読している。迷う時間をテキスト精読に充てれば、必ず成果が出てくるはずだ。
心得10 さぁ、準備は整った! あとは本番を待つのみだと心得よ
行政書士試験対策講座を講師として担当してきた日々のなかで強く感じるのは「勉強は裏切らない」ということ。自分をごまかさず、「最後まであきらめない」という姿勢を貫こう。
行政書士という看板を掲げて仕事をするとき、一番不可欠なものは「信念を貫くこと」と「自分を信じること」だ。だれにも頼ることなく、独自のスタイルで仕事をすることを要求される場合が数多くあるからだ。そういうとき、「自分は何のために行政書士になろうと思ったのか。そのためにどんな努力をしてきたのか」ということをしっかりと考えることが、とても大切なのだ。
今、君たちが狭き門である行政書士試験を受験するまでの経験や努力が、行政書士の仕事をしていくなかで、必ず役立つはずだ。今の経験は、仕事に繋がる大事な経験ととらえ、一歩一歩あきらめずに進んでいってほしい。
私の教え子たちは、試験後「試験勉強を頑張って乗り越えたことが、自信になった」と話してくれる。この実感を君たちにも味わってもらいたい。心より応援している。君たちの健闘を祈る。
プロフィール
行政書士。1968年兵庫県生まれ。1993年より大手専門学校にて行政書士受験講座を担当する。その他、多くの専門学校・大学の行政書士、宅建、公務員試験対策講座で教鞭をとる。実績校:TAC、東京リーガルマインド、大原法律公務員専門学校、関西大学、同志社女子大学ほか。
C&Wパートナーズ株式会社 代表取締役
http://www.cwpartners.co.jp